なぜドライバー採用は難しいのか?その理由と解決法

「求人を出しても、なかなか応募がこない」「採用できてもすぐに辞めてしまう」「即戦力がほしいけど、経験者は賃金が高い」ドライバー採用について、そんな悩みをお持ちではありませんか?
15年間求人業界で働いてきた私ですが、ここ数年、特にドライバー採用を考えているお客様からそんな声をお聞きします。
実際、求人サイトに出しても、一名採用できるかどうかの状態が続いています。
日本でコロナウィルスが流行してから、すでに2年以上が経ちました。
活動の自粛や在宅勤務など、おウチ時間の増加に伴い、ネット通販の需要は高まる一方です。
物流現場では、いまドライバーの不足が大きな課題となっています。
本記事では、ドライバー採用の現状と今後の対策について解説します。

なぜドライバー採用は難しいのか。その理由を探る

ドライバーの有効求人倍率は全職業平均の2倍

※出典:厚生労働省「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」

コロナ禍による景気の低迷下でも、ドライバーの有効求人倍率は「2倍」以上と厳しい状況が続いています。
これは、一人のドライバーを2社で取り合っている状態で、半分の会社は採用ができないということです。
全職業の平均値よりも2倍高い有効求人倍率となっており、他職種に比べても採用が難しい職種であると言えます。
ドライバーの有効求人倍率は上がる一方で、募集しても応募が集まらない環境が続いています。

ドライバーの厳しい労働条件

※出典:厚生労働省「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」

厚生労働省の調査によると、ドライバーの労働時間は、全産業の平均よりも約2割長く、ドライバーの年間賃金は、全産業の平均よりも約1~2割低いという結果が出ています。
また、休日・休暇に関しては、業種にもよりますが、完全週休2日の難しさや、有給休暇も取得しづらいのが現状です。
このようなドライバーの厳しい労働条件から、仕事選びの際に敬遠されてしまう動きがあります。

ドライバーの2024年問題

働き方改革関連法によって、2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されます。
具体的には、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されます。
ドライバーの多くは時間外労働を行なっており、従来受け取っていた時間外手当がなくなることにより、収入が減少し、離職率も高くなると考えられます。
企業側は、ドライバー一人当たりの業務量が減ることにより、さらなる増員が必要となる可能性があります。

■ドライバーの高齢化と望まれる業界への女性進出

ドライバーの約半数が40歳~54歳

※出典:厚生労働省「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」

物流現場の現状として、ドライバーの高齢化が顕著になっています。
厚生労働省の調査によると、大型トラックのドライバーの平均年齢は49.5歳、中小型トラックのドライバーの平均年齢は46.4歳です。
全産業の平均が43.2歳ですので、大型トラックは+6.2歳も平均年齢が上ということになります。
若者の自動車免許の保有率が約半数ということもあり、29歳以下の若年層のドライバーは、全体の10%以下にとどまっています。

女性の割合は2.3%。全産業と比べて極めて低い

        ※出典:厚生労働省「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」

総務省によると、全産業の女性の進出状況(就業者に占める女性の割合)が44.5%に対して、ドライバー(道路貨物運送業)は2.3%とかなり低いことがわかります。
男性の割合が多いイメージの建設業が16.5%ですから、ドライバーが完全な男性社会であることが窺えます。
現在、業界における女性の活躍を促進するため、国土交通省では、女性トラックドライバーを「トラガール」と名付け、様々な取組を進めています。

ドライバーを採用したいなら、会社が変わらなければならない

ドライバー経験者は、待遇の改善を目的に転職する

即戦力を希望する経営者にとって、やはりドライバー経験者を採用したいと考える方は多いと思います。
では、なぜドライバーは、別の職場へ転職を考えるのでしょうか。
ドライバーの転職理由第一位は「給与や待遇に不満がある」というもの。
仕事自体は、だいたいどの会社も「車に乗って荷物を運ぶ」という基本的な業務内容は同じです。
そのため、給与や待遇が転職理由になりやすい傾向があります。
実際に、第二位が「労働時間が長い」、第三位が「肉体的にツライ」といった働き方に関するものが続いています。
当然、転職するのですから、ドライバー経験者は、以前の職場よりも待遇の良い会社を探しています。
経験者を採用するためには、ある程度の条件提示は必須となります。

未経験者募集がドライバー採用を成功させる要

難しいドライバー採用を成功させるためには、未経験者の採用も考えなければいけません。
実際に、ドライバー未経験者を募集し、採用している企業も多くあります。
未経験者を募集する際に、最低条件として自動車免許が必要ですが、中型免許や大型免許を持っている人はそう多くはありません。
そういった業務に必要な資格の取得を支援できる制度があれば、ドライバー未経験でも、少し応募のハードルが下げられるのではないでしょうか。
給与や待遇を今すぐ変えるのが難しい場合は、未経験者をターゲットに、会社全体で育てていく環境を整えることで、よりドライバー採用を成功させられる確率が高まります。

採用サイトを充実させて不安や疑問を取り除く

転職活動を行なう際に、求職者の74.5%は「採用サイト」を見ています。
取引先向けに作られる企業サイトとは別に、より詳しい採用情報が書かれた専用の採用サイトを持つことをオススメします。
なかには、家族向けのページを作っている会社もあります。
これは、重労働のイメージがあるドライバーの仕事を、安全や労働環境をしっかりアピールすることで、本人だけでなく、家族も安心できるという利点があります。
特に若年層は、ネット世代でもありますので、分からないことはすぐにネットで検索をします。
あなたの会社の仕事に少しでも興味を持った人を取り込むためには、自社でできる対策に力を入れる必要があります。

まとめ:現状維持では採用は難しい。常に改善していくことが求められる

求人を出すことに慣れているお客様は、よく「いつもと同じやつで出しておいて」と言います。
しかし、求人市場も、求職者も、日々変化していることは間違いありません。
その時は大丈夫だったとしても、今はあの時の「いつも」と同じではいけないのです。
ドライバー採用の難しさは、ここまで読んでいただいたとおりです。
他社とのドライバーの取り合いの中で、勝ち残るためには、ターゲットにあわせた給与・待遇の改善や、求職者が求める情報が得られる専用サイトなど、他社より一歩先を行く必要があるのです。

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