かつては採用面接というと実際に採用担当者が学生と会って対面で行うのが当たり前でしたが、テクノロジーの進歩によって、インターネット環境を使って行うオンライン面接が増えています。もっとも、オンライン面接を行うにはいくつか注意すべきポイントがあり、それを知らずに面接を行うと思わぬ失敗をしてしまいかねません。そのようなことにならないように、以下で採用担当者が知っておきたいポイントを紹介していきます。
オンライン面接の進行の仕方
はじめに、オンライン面接を行う場合の一連の流れを、しっかりと頭に入れておきましょう。まず最初に行うのは挨拶です。お互いに簡単に自己紹介を済ませたら、いきなり本題に入る前にアイスブレークを設けるのがおすすめです。このアイスブレークというのは、初対面の相手と話をする場合に、双方の緊張を解きほぐすために、本題とは関係のない話をするという時間のことで、特に直接相手の顔が見えないオンライン面接では重要とされています。学生の本来の姿を見極めるだけでなく、採用担当者がリラックスして面接に臨むためにも大切なプロセスですので、必ず設けるようにしましょう。
アイスブレイクが終わると、いよいよ本題の面接に入ります。ここでポイントとなるのは、なるべく話を簡潔にするということです。面接に慣れていない採用担当者の場合、ついつい話が長くなって、学生の話を聞く時間が短くなってしまうケースがあります。オンライン面接では、学生が採用担当者を遮って自分から話をするということが対面での面接よりもさらに難しくなりますので、なるべく学生から話を聞き出すためにも、採用担当者からの話は簡潔かつ手短に行うようにするとよいでしょう。
面接の最中に気を付ける点としては、できるだけリアクションを大きめにするということです。自分の話をきちんと聞いてもらえているのかが分からないと、学生が委縮してしまって、本来アピールしたい内容を話せなくなってしまう恐れがあります。そのような事態を招かないようにするために、身振り手振りを交えるなど、少し大げさと思えるくらいリアクションを大きくして、しっかりと話を聞いているというのが分かるようにしてあげるのがおすすめです。
通常の面接だと学生が部屋から退出して終了となりますが、オンライン面接の場合には、バーチャルなミーティングルームから採用担当者か学生のいずれかが出たところで終わりになります。その際、どちらが先に退出するかでぎくしゃくしてしまう可能性がありますので、採用担当者から学生に対して先に退出するよう促してあげるとスムーズに面接を終えられるはずです。
事前の準備をしっかりしよう
オンライン面接に臨むに際しては、事前の準備も非常に重要となります。一般的にオンライン面接は専用のアプリやソフトウェアを使って行われるのですが、その操作に慣れていないと、うまく面接を始められなかったり、途中でトラブルが発生した場合に適切に対処できなくなってしまうおそれがあります。学生の前であたふたしてしまうと、採用担当者だけでなく、会社そのもののレピュテーションを傷つけかねませんので、そのようなことにならないよう、特に使用する機材やアプリなどの操作方法は入念に頭に叩き込んでおくようにしましょう。なお、状況によっては、自分ひとりではどうしようもなくなってしまう恐れもありますので、そういったときにすぐに相談できるようにシステム担当者の連絡先を手元に控えておくと安心です。
見た目も重要
オンライン面接に臨むにあたっては、採用担当者自身の見た目も大切です。対面での面接と同様に、清潔な服装を心掛けなければならないというのは言うまでもありませんが、それに加えて、相手がスマホやタブレット端末などの小さなモニターを通じて見ている可能性も考慮して、なるべく明るめのカラーの服をチョイスするようにしましょう。スーツの場合には、真っ黒のものよりも、グレーやネイビー、ブラウンといった色合いのものを選ぶのがおすすめです。ただし、いくら明るい色が良いからといっても、真っ白なスーツを着用したりすると、品性を疑われかねませんので、あくまでも普段仕事で着用して問題のない色味のものにしなければなりません。
ポイントを押さえて優秀な人材を集めよう
オンライン面接は、遠方に住んでいる学生の面接などに活用できるため、うまく使いこなせれば、これまで以上に優秀な人材を獲得しやすくなります。そのためには、以上で説明したポイントを押さえてスムーズに面接を進行することが大事になりますので、企業などで採用を担当している方は、これを機にしっかりと頭に入れておくと良いでしょう。