【3分で分かる】中小企業生産性革命推進事業の特別枠|低リスク型ビジネス枠とは?

中小企業生産性革命推進事業の特別枠は、新型コロナウイルスの流行に対応した企業の取り組みを支援する制度です。ものづくり補助金などの3つの事業で構成されており、コロナ渦での企業成長に有効な制度だと言えます。

しかし、中小企業生産性革命推進事業の特別枠は、補正予算による改編もあり、制度内容が複雑です。この記事をご覧のあなたも、「もっと手軽に分かりやすく知りたい」と思っているのではないでしょうか。

そこで今回は、中小企業生産性革命推進事業の特別枠について、ポイントを押さえて分かりやすく解説します。

中小企業生産性革命推進事業の特別枠はコロナへの対応を支援する制度

中小企業生産性革命推進事業には「通常枠」と「特別枠」があります。このうち、特別枠は、新型コロナウイルスの流行にともなって、令和2年度より新たに設置された制度です。

中小企業生産性革命推進事業の全体像を明らかにしながら、特別枠について詳しく見ていきましょう。

中小企業生産性革命推進事業とは

中小企業生産性革命推進事業は、企業の生産性向上や販路開拓を目的とし、設備投資などに要した経費の一部を負担する制度です。しかし、「中小企業生産性革命推進事業」という名称は、あまり聞きなれないですよね。

中小企業生産性革命推進事業は、以下3つの補助金の総称です。

【中小企業生産性革命推進事業を構成する3つの補助金】

●ものづくり・商業・サービス⽣産性向上促進補助金(ものづくり補助⾦)
●⼩規模事業者持続的発展⽀援事業(持続化補助⾦)
●サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業(IT導⼊補助⾦)

いずれかの制度を耳にしたことがあるのではないでしょうか。それぞれの補助金において、「通常枠」と「特別枠」が設けられています。

中小企業生産性革命推進事業の「特別枠」とは

中小企業生産性革命推進事業の「特別枠」は、新型コロナによる社会変化への対応を支援する枠組みです。「通常枠」と比べると補助上限や補助率が引き上げられています。特別枠は、令和2年度第1次補正で初めて導入されましたが、令和2年12月で一旦募集終了となりました。

令和2年度の12月まで実施されていた特別枠は以下のとおりです。

出典:令和2年度補正予算の事業概要|経済産業省

令和2年度第3次補正予算で特別枠が低感染リスク型ビジネス枠に改編

令和2年12月で一旦終了となった特別枠ですが、令和2年度第3次補正予算により、低感染リスク型ビジネス枠に再編されました。従来の特別枠が新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)となり、今後も期間を分けながら公募が行われます。

低感染リスク型ビジネス枠の補助内容は、以下のとおりです。

出典:令和2年度第3次補正予算の事業概要|経済産業省

低感染リスク型ビジネス枠では、各補助金において、通常枠よりも補助上限や補助率が引き上げらています。従来の制度よりさらに幅が広がり、利用しやすくなったと言えるでしょう。

中小企業生産性革命推進事業の特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)を利用するメリットと活用法

低感染リスク型ビジネス枠においても、これまでの特別枠と同様に、新型コロナウイルスに対応するための投資が補助対象です。ただし、3つの補助金ごとに制度内容が違うため、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金の低感染リスク型ビジネス枠では、対人接触機会の減少を図るための革新的な投資を補助します。具体的に、製品開発やプロセス改善、ビジネスモデルの抜本的な転換など、規模が大きい取り組みが対象です。3つの補助金のなかでは、もっとも補助額が大きい制度でもあります。

通常枠と比較したメリットや具体的な活用事例は、以下のとおりです。

【通常枠と比較した低感染リスク型ビジネス枠のメリット】

●補助率が1/2→2/3
●通常枠では対象とならない、広告宣伝費や販売促進費が対象となる

【ものづくり補助金における低感染リスク型ビジネス枠の活用例】

●対面型ビジネスからオンラインビジネスへの転換
●AIやIoTの技術を用いた遠隔操作や⾃動制御などの機能を有する製品開発
●オペレーションセンターの構築

出典:ものづくり補助金公募要領|ものづくり補助金事務局

※ものづくり補助金の低感染リスク型ビジネス枠について、最新情報を知りたい人は「ものづくり補助金総合サイト」から

持続化補助金

持続化補助金は、主に小規模事業者の販売促進やPRを支援する補助金です。低感染リスク型ビジネス枠では、新型コロナウイルスによる社会変化に対応した新たなビジネスの経費が対象となります。また、消毒液などの感染防止対策品の一部にも充当可能です。

通常枠と比較した場合のメリットや活用例は、以下のとおりです。

【通常枠と比較した低感染リスク型ビジネス枠のメリット】

●補助上限額が50万円→100万円
●補助率が2/3→3/4
●消毒液などの感染対策防止費にも利用できる

【持続化補助金における低感染リスク型ビジネス枠の活用例】

●消毒液などの感染防止にかかる用品の購入
●換気設備の導入
●店舗販売からEC販売に切り替える際のシステム導入費
●大部屋を個室にするための間仕切り設置と予約システムの導入

出典:持続化補助金|中小機構

※持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠について、最新情報を知りたい人は「全国商工会連合会「小規模事業者持続化補助金」」から

IT導入補助金

IT導入補助金の特別枠は、ITツールの導入による生産性向上や非対面化を支援する制度です。IT導入補助金の特別枠には、「低感染リスク型ビジネス類型」と「テレワーク対応類型」の2つのコースがあります。テレワーク対応類型では、テレワーク環境の整備に要したITツールの費用も対象です。

通常枠と比較した場合のメリットや活用例は、以下のとおりです。

【通常枠と比較した低感染リスク型ビジネス枠のメリット】

●補助率が1/2→2/3
●PCやタブレットなどのレンタル費用にも利用できる

【IT導入補助金における低感染リスク型ビジネス枠の活用例】

●会計管理システムや労務管理システムの導入
●遠隔注文システムやキャッシュレス決済の導入
●テレワークの実現にともなう、クラウド型の勤怠管理システムと会議ツールの導入

出典:IT導入補助金|中小機構

※IT導入補助金の低感染リスク型ビジネス枠について、最新情報を知りたい人は「IT導入補助金2020」から

自社の実情に応じて中小企業生産性革命推進事業の特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)を活用しよう

中小企業生産性革命推進事業の特別枠は、新型コロナウイルスに対応するための取り組みを支援する制度です。令和3年からは、新特別枠として「低感染リスク型ビジネス枠」に名称が変更されました。従来の制度よりも補助金や補助率が引き上げられ、さらに対象とできる経費の幅が広がります。

また、中小企業生産性革命推進事業は、構成する3つの補助金ごとに、制度内容が異なります。各補助金を効果的に活用するためには、自社の課題や目的に合った制度を利用することが大切です。

各補助金における低感染リスク型ビジネス枠の内容やメリットを把握したうえで、あなたの会社に最適な制度を活用してください。

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