2020年はコロナの影響で就職活動にも多大な影響をもたらしてきました。こうした中で内定を勝ち取った2021年卒の内定者は、今現在、どのような気持ちでいるのか、どういった不安を抱えているのか、そして採用する側としてどのようなサポートを提供したら良いのかについて知っておくことは、採用する側としてとても重要なポイントとなります。
コロナ禍により2021年卒の内定者は不安定な気持ちになっている
2020年はコロナ一色となり、これまでの生活スタイルは一変、様々なところで影響が出ているところです。就職活動においてもその傾向は顕著に出ていて、採用する側も、また採用される側も、これまでとは異なった形での就職活動を余儀なくされています。こうした中、苦難を乗り越えて内定を得た2021年卒の内定者が、現在、どのような気持ちでいるのでしょうか。まずはその気持ちを理解することが採用する側にとっては非常に重要となります。
内定取り消しなどの事態も発生
多くの企業ではコロナの影響で採用を控えたり、場合によっては内定を取り消すといった事態が発生していることはマスコミ等で大きく取り上げられているところです。当然のことながら、内定者の中にもこうした情報をいち早くキャッチしていることでしょう。大きな不安を抱えて、ようやく内定を勝ち取った2021年卒の内定者にとって、このような情報は非常にショッキングなものと言えます。このため、内定者の多くは本当にこのまま無事に内定先の企業で働くことができるのか、といった気持ちがあることは否めません。この状況下でもし万が一でも内定取り消しとなりますと、厳しい状況下での活動を再び余儀なくされるわけですから、そのプレッシャーは相当なものと言えます。
採用活動のオンライン化によりコミュニケーションが不足、出社への不安をかかえる
このように、2021年卒の内定者の現在の気持ちとしてはかなり不安定な状況となっていますが、内定者が抱える不安はこれだけではありません。2021年卒の内定者はこれまでとは大きく異なったスタイルでの活動をせざるを得ませんでした。オンラインによる説明会や面接など、これまでに経験したことがない活動を経験してきたわけです。従来は就職活動中に採用担当者や先輩たち、学生同士など多くの人とコミュニケーションを図ることで、就職先に関する様々な情報を収集するとともに、社会人としての資質を蓄えていくことが一般的でした。
しかし、今回はこうした経験ができませんでした。多くの内定者はオンラインでのみでの活動となり、採用担当者などからは十分な情報を得ることはできませんでした。このため、果たして自分が社会人となった場合、本当に仕事についていけるのか、といった不安が内定者には大きくのしかかっているのです。この不安は出社日が近づくにつれて増していくことは容易に想像できます。そうなりますと最悪の場合、出社日直前で体調不良になって、出社できなくなる、といった事態も想定されます。採用担当者側としては、こうした状況も考慮する必要があります。
積極的にコミュニケーションを取ろう
こうした様々な悩みを抱えている2021年卒の内定者に対して、採用する側としてどういったサポートの提供が必要なのでしょうか。まず挙げられるのが、積極的にコミュニケーションをすることです。コミュニケーションと言っても、現在の状況下では直接会って会話することは難しいですので、どうしてもオンラインというアイテムを使ってのコミュニケーションとなりますが、それでも良いです。電話でも全く問題ありません。とにかく内定者と会話を交わしていき、採用者側としてはいつでもウェルカムであることを内定者に訴えていくことが、大きな不安を抱えている内定者の気持ちを少しでも和らげる手段となります。
円滑に職場に慣れるための工夫が必要
もちろん、これは出社後においても同様で、多くの企業ではテレワークを実施せざるを得ない状況となっていますので、出社後もしっかりサポートする必要があります。とはいうものの、テレワークだけではさすがに心配の要素は消えませんので、例えば時差出勤や、新入社員のみ週２～３日は出社して、同僚とコミュニケーションを図る、などといった対策が有効となります。そして、出社後は出来るだけ早い目に研修を実施するなど、内定者が円滑に職場になれるための工夫も、採用する側が提供するサポートとして大切となります。
内定者としっかりと向き合おう
このように、2021年卒の内定者にはこれまでの内定者とは異なり、かなりの不安を抱えています。こうした不安を抱えた内定者に対して、採用する側としてすべきことは、とにかく内定者としっかりと向き合い、的確にサポートとしていくことです。人材は宝ですので、そのことを改めて認識したうえで、的確に対応していくことが採用する側の責務と言えます。