「採用には、どれくらいの予算を確保したらいいのか」
「うちの採用コストは妥当なのか」
「できるだけコスト削減したいけれど、採用できないのは困る」
経営者の方や人事・採用の担当者であれば、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
本サイトでは、全3回に分けて、「パート・アルバイト採用」「中途採用」「新卒採用」それぞれの採用コストの相場や、考え方についてまとめています。
第2回は、「中途採用」の採用手法別の採用コストについて解説します。
■前回の復習:採用コスト、採用単価、求人広告単価を知る
採用コストってなに?
採用コストとは、人材を採用するためにかかる全体の費用のことを指します。
求人広告の掲載費だけでなく、面接や研修などの採用活動で必要となる面接官や採用担当者の人件費なども、採用コストに含まれます。
採用コスト単価ってなに?
採用コスト単価とは、一人当たりの採用にかかった費用を指します。
[採用コストの総額]÷[採用人数]=[採用コスト単価]
昨年度と同額の採用コストでも、採用できた人数によっては、採用コスト単価が変わりますので、費用を抑えたい場合は、採用コスト単価を見ていただくと良いかと思います。
求人広告単価ってなに?
求人広告単価とは、一人当たりの採用にかかった求人広告費を指します。
[求人広告費の総額]÷[採用人数]=[求人広告単価]
一人当たりの広告費を知ることにより、今後求人広告掲載の際に、広告費算出の検討材料となります。
■中途採用の採用コストってどれくらい?
それでは、実際に中途採用では、どれくらいの金額が使われているのでしょうか。
マイナビ転職を運営する「株式会社マイナビ」が発表した「中途採用状況調査2022年版(2021年実績)」では、「人材紹介」「求人広告」「合同企業説明会(オンライン含む)」「ダイレクトリクルーティング」「求人検索エンジン」「採用ブランディング」「その他経費」を合計した予算と実績が報告されています。
中途採用の平均実績484.3万円
■従業員数51~300名 ▶ 予算272.0万円/実績277.5万円
■従業員数301~1000名 ▶ 予算458.3万円/実績360.6万円
■従業員数1001名以上 ▶ 予算1123.6万円/実績1004.7万円
■全体平均 ▶ 予算544.5万円/実績484.3万円
業種別に予算に対する実績を見ると、「マスコミ・広告・デザイン」「運輸・交通・物流・倉庫」「環境・エネルギー」では、予算計上していた金額よりも、実際には多く費用がかかっている結果となりました。
なかでも、「運輸・交通・物流・倉庫」では、予算:446.8万円/実績:577.7円と、130.9万円の予算オーバーとなっています。
職種ごとの採用者一人あたりの求人広告費
採用者一人あたりの求人広告費(転職サイト、折込求人紙、新聞の求人欄、フリーペーパーなど)は、「医療・食品・科学・素材」が50.8万円と高く、「電気・電子・機械・半導体」が44.4万円と続きました。
しかし、2021年度は、明らかに特出した職種はありませんでした。
今後行ないたい会社PR・採用活動方法は「企業ホームページ」が最多
現在、様々な方法で企業が情報発信を行なっています。
採用活動も同様で、「今後行ないたい会社PR・採用活動情報の発信手法」の質問で、一番多かったのは、「企業ホームページ」33.2%でした。
次いで、「SNS」25.4%、「Youtube」23.4%、「専門情報サイト」22.9%、「合同企業説明会(転職フェア等)」22.6%となっています。
今後は、転職サイトと併用し、「企業ホームページ」をはじめとするWebコンテンツに力を入れる企業が増えてくると予想されます。
■まとめ
採用活動には、「人材紹介」「求人広告」「合同企業説明会(オンライン含む)」「ダイレクトリクルーティング」「求人検索エンジン」「採用ブランディング」など、様々な手法が取り入れられています。
業種や職種によって、それぞれ手法は変わってくるでしょう。
それだけでなく、新型コロナウィルスの流行によって、以前とは求人市場も変わり、企業も様々な採用手法を模索しています。
時代の移り変わりにより、今後も自社にとってベストな採用手法を考えていかなければいけません。