今年も早いもので、師走に入り、1年を締めくくる時期になりました。
年末近くに、職場や仕事関係者、友人たちと行なわれる飲み会を、私たちはまとめて「忘年会」と言っていますが、12月に入った頃から、テレビやSNSで忘年会に関する話題が頻繁に取り上げられています。
その中で、今年は「忘年会スルー」という言葉がブームになっています。
職場の忘年会に参加しないことを「忘年会スルー」というそうです。
新卒や若年層だけでなく、幅広い年代で「忘年会スルー」への共感が多く、ほとんどが職場の忘年会に対するネガティブな反応となっています。
忘年会の参加状況に関するある調査によると、「忘年会に参加したくないが参加している」「参加していない」という回答が全体の4割近くを占めており、忘年会が避けられている傾向にあるということがわかりました。
職場の忘年会が嫌われる最も大きな理由は、職場の人間関係です。
職場はあくまで、仕事をする上での上下関係やライバル関係などがあり、好き嫌いで構築されているわけではありません。
プライベートの忘年会は、気の合う仲間だけで集まれますが、職場の忘年会ではそうもいきません。
職場の人間関係の延長にある忘年会では、上司に気を使ったり、話が合わなかったり、好きなものを食べ飲みできないなど、思い通りに振る舞えないことが敬遠される理由になっています。
このような忘年会に、自分のお金と時間を使うことが勿体無いと思ってしまい、忘年会スルーをしてしまうのです。
そのほかにも、この1年の間に、働き方改革による残業代の減少で、社員の収入が減ったことも要因の一つと考えられます。
忘年会に限らず、外食自体を控えている人も多く、その中で5000円近くの忘年会費用を払うのは、なかなか厳しい現状です。
多くの会社では、忘年会や新年会、歓迎会などの飲食を伴う会が、年に数回行なわれているかと思います。
福利厚生に含まれている会社も多く、なかには、自由参加とうたっていても、半強制的に参加しなくてはいけない職場もあるでしょう。
あるニュースで取り上げられていたのは、忘年会の幹事を任された新入社員が、幹事を任されたことが理由で会社を退職したというもの。
もともと参加に乗り気でない上に、幹事まで任されてしまい、かなりのストレスになってしまったようです。
社員に長く安定して働いてもらうためにも、職場の忘年会を重要なコミュニケーションの場であると考えるのであれば、今後は、ほかのやり方も考えていく必要がありそうです。
最近増えているのは、昼間のランチタイムに1時間だけ、勤務時間内に30分だけ、などの勤務時間内に短時間で行なうというもの。
勤務時間内であれば、仕事の一つと割り切れますし、30分や1時間程度の限られた短い時間というのも魅力的です。
部下や後輩とのコミュニケーションの取り方も、時代に合わせた変革が必要となっています。
会社単位で変化を促していくことで、新しく人を雇い入れる際の会社の特徴や魅力にも繋がっていくのではないでしょうか。