6月9日までに、上場企業の「早期・希望退職」の募集が35社に達し、前年同期の2倍のペースで増加しており、2019年の1年間分(35社)に並んだ。35社の募集人数は、判明分で合計6417人となる。
人数が最も多いのは、(株)レオパレス21の1000人。次いで、(株)ファミリーマートの800人、(株)ノーリツの600人となった。
業種別では、アパレル関連が5社(募集人員合計770人)で最多。次いで、百貨店・コンビニ等の小売業(同1060人)と輸送用機器(同850人)が各4社、電気機器(同140人)と精密機器(同220人)、旅行業・広告業などサービス業(同200人)が各3社で並んだ。
例年、下半期にかけて業績不振の企業が「早期・希望退職」を募集する傾向が強いが、2020年はこうした傾向に加え、新型コロナの影響が長引くことも懸念される。アパレル関連や小売など個人消費関連の業種、海外需要が低迷している製造業などを中心に、今後の展開が注目される。
しかし、大手企業からの人材流出により、人手不足の運送業や、即戦力となる人材を求める中小企業は、優秀な人材を得るチャンスになるのではないだろうか。社会的にも徐々に日常を取り戻しつつあるが、コロナ後を見据えて、人材獲得の先手を打つ企業も増えてくるだろう。